■株式会社AbemaTV代表取締役社長 藤田晋 (株式会社サイバーエージェント 代表取締役社長)
今回、「NEXT CREATOR'S COMPETITION」では「10~20代の女性を熱狂させる恋愛ドラマ」をテーマに脚本を募集しました。いつの時代も、若者たちを熱狂させ、世の中に旋風を巻き起こすドラマ作品があり、そんなオリジナルドラマを「AbemaTV」でも生み出したいと開催しましたが、狙い通り今後活躍しそうな20代の脚本家を発掘できたのではないかと思っています。
『1ページの恋』はどストレートに恋愛模様を描いた青春群像劇で、恋愛をしている若者を応援する内容で、すぐにでもドラマ化したいと思いました。「AbemaTV」で放送するまでには多少時間がかかってしまいそうですが、確実に形にしたいと思っています。
今回審査させていただいた応募作品はどれもオリジナリティにあふれ、まだまだ粗削りな部分はありつつも、ここから大化けする若いクリエイターの作品と多く出会うことができました。今後も未来を担う若いクリエイターとドラマやコンテンツを生み出していく試みを「AbemaTV」では行っていきたいと考えています。
■脚本家・監督・俳優 宅間孝行
応募作の最終は素敵な作品が沢山ありましたが、今回のテーマに沿う形ですと、てらいなく純愛を描こうとしている『1ページの恋』に大変そそられました。大賞イコールドラマ化という事で、これから推敲しブラッシュアップしうる可能性も重視し、大賞として選びました。
『こんなにかわいいヒモがいるなんて』は、展開で見せるのも勿論ありですが、毎日10分とか、毎週30分とかの俳優の個性にひたすらスポットを当てる「やっぱり猫が好き」のような、延々可愛いペットに癒される企画に近い魅力を感じました。『バブルスバブルズ』に関しては、僕はこの作品の主人公にきちんと人生を背負わせてるキャラ作りが大好きで、設定も突飛ながらも今ならありそうなリアリズムもあって、純粋に見てみたい作品だと思いました。恋愛ドラマよりは人間ドラマになりそうなそんな深みも持たせられそうな予感を感じました。
■脚本家 吉田恵里香
募集テーマである「10代~20代の若い女性を熱狂させる恋愛ドラマ」という切り口を最初聞いた時は、間口が狭いテーマだなと感じましたが、応募された作品を読むにつれ、10代、20代に向けたメッセージや方向性は人それぞれいろいろあって、違うんだなと興味深く思いました。
『1ページの恋』は、エッジがたっていたり、設定が変わっているというわけではなく、まっすぐに恋愛を描いているみずみずしさと、真正面から男女の恋愛を描いているフレッシュさを感じました。他のドラマでなかなかできないことだと思うので、そこもすごいなと思います。『バブルスバブルズ』は、登場する男の子の中で誰とくっつくかわからないワクワク感がとてもいいなと思いました。主人公がどう成長していくんだろう?と期待して見たくなる作品でした。
■映画監督 山戸結希
審査に関わり、今回の「NEXT CREATOR'S COMPETITION」は、新人脚本家の登竜門として、これ以上ない挑戦的な取り組みだと感じました。集められた応募作のレベルも大変高く、審査の過程で、どの作品を読むのも楽しくて、それぞれの作品の映像化を、心待ちにしています。
グランプリを獲られた『1ページの恋』には、圧倒的な才能を感じました。フリーハンドの美しさと同時に、職人的な精密さもあり、脚本そのもののセンスが光る応募作でした。どの男の子と最終的に結ばれるのか、冒頭から既にわかるドラマや映画作品も多い中、全くわからない配置されたキャラクターも、AbemaTVさんでしか作れないドラマとして、魅力的でした。女性の自己実現要素がしっかりと入っているのも、ご自身と向き合って書かれていることが伝わってきました。『こんなにかわいいヒモがいるなんて』、本当に素晴らしい作品でした。タイトルにインパクトがあり、一番最初に目をひく工夫。そして、キャッチーなタイトルに編み込まれた深い愛があり、瞬間だけではない強さを持っている作品だと考えさせられました。視聴者にとっての悦楽が、作品のもっている社会的意義と結びついているのことも、きっとドラマでしかできない試みに対して意識的な方なのだろうと、感動しました。
■脚本家 井上聖司
審査員全員で、議論の時間が足りないぐらいしっかり議論したうえで選ばれた作品なので、いい作品が選べたと思います。このようなコンペが増え、今後もおもしろい作品が若手から生み出されていけばいいなと思いました。
『1ページの恋』は、王道っぽい雰囲気を残しつつ作品の最後に誰と恋するかわからない部分がよかったなと思いました。『こんなにかわいいヒモがいるなんて』は、視聴者の年齢層が少し上になるかなと思いましたが、それをさしひいても作品のおもしろさが勝っていました。一番キャッチーだなと感じ、脚本を書いている方が男性だったのでそこにも興味がわいた作品です。『バブルスバブルズ』は、一番総合点は高いなと感じて、個人的には1番推した作品です。他の応募作品に比べて一番分かりやすくまとまっていましたが、もう1歩、今の設定にひねりや、更にキャッチーな部分が加われば大賞もあったかなと感じました。
■放送作家 鈴木おさむ
「1ページの恋」は若い男女の恋愛群像劇をすごく丁寧に描いている作品で、地上波だと若者の群像劇を描くチャンスや勇気があまりない中、AbemaTVでそこを丁寧に描けるのはいいなと思いました。1話を15分や30分にするなど、放送時間の尺の工夫など、色々な展開ややり方も踏まえて、AbemaTVにとって新しいものができるのではないかという期待も込めて選びました。
「こんなにかわいいヒモがいるなんて」は、個人的に一番好きな作品です。”ヒモ”である男の子がヒモなのに毎回助けてくれるという視点を変えたヒーローものだなと感じました。女の子も毎回助けられることを通して変わっていくという、ありそうな展開なのに一味も二味も違い、女性があこがれるような恋模様を描いているなと。男性が書いた脚本ということで、意外と淡くないところも好きで、楽しく読ませてもらいました。
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